C h a p t e r 2   クライアントが続かないとき

正論は、私の価値観でしかない

クライアントが離れるとき

クライアントが離れていく。

コンサルタントにとって、

一番苦しい出来事だと思います。

私にも何度も経験しています。

そのたびに考えてきました。

何が足りなかったのか、と。

提案の質だろうか。

関わる頻度だろうか。

成果が出るスピードだろうか。

記憶を辿るように

我が行動を振り返り

思考を見直し、

態度を思い出す

その中ではっきりわかったことがあります。

【自分の価値観をぶつけていた】

これは、自覚しにくいものです。

ですがこれらの経験を幾度も繰り返す中、

私の中に1つの判断の基準が見えてきました。

【感情に流される】

自分の価値観をぶつけてしまう時、

そこには必ず自身の我を通したくなる感情がありそれに流されていました。

「私は感情的になっていないか?」

我を通したい感情に飲み込まれているときは

相手のやり方を見ると、

攻撃的な思考が生まれてきます。

「それは違う!」と。

そして、伝えたくなる。

「そのやり方では、うまくいきません」

「こうしたほうがいいです」

もしかしたら、正論かもしれません。

でも、それは私の価値観です。

クライアントには、クライアントの価値観がある。

そこを飛ばして解決案を伝えても

相手の中には何も残りません。

頭では分かっていても、

腹には落ちない。

だから、動かない。

私が今、大切にしているのは、

クライアントの価値観の中に入ることです。

その人が何を大事にしているのか。

何を守りたいのか。

何を恐れているのか。

そこまで入っていくと、

その人のやり方が、その人にとっては

筋が通っていることが分かります。

そのうえで、問いかけます。

「その判断は、 あなたが大事にしていることと合っていますか」

ジャッジはしません。

ただ、本人の価値観と、

実際の判断がずれているとき、

そこに気づいてもらう。

気づけば、人は自分で修正します。

私が正解を渡す必要はありません。

クライアントが離れていくとき。

そこにあるのは、能力の問題ではなく、

価値観の押しつけかもしれません。